逃げ道がみつからない②

鬱病上司は上司として本当に機能していませんでしたが、その癖

「本社の意向には答えたい、出世したい」という欲は一人前にある人

――保身の塊でした。

 

この人のフォローは私一人でしているわけではありませんでしたが、

それでも、ある程度仕事をこなせる下っ端社員である私は、

この人にとっては無茶ぶりをする格好のターゲットでありました。

 

【無茶ぶりの例①】

上司「〇〇な感じの××を今月末までに準備して」

私「日にち的に難しいです。もうギリギリなので、グレードは下がります

(上司の要求は、通常遅くとも3カ月前にはfixしないと無理な類のものでした)」

上司「はぁ?なんでや。やれよ。」

私「(渋々電話……)」「△△円(通常の2倍以上の価格)なら見つかります。」

上司「予算超えてるやんけ!」

私「予算に抑えるなら、ご希望には添えません。グレードを下げなきゃ。」

上司「(溜息……)なんでや。なんで無理なんや。」

私「(説明)」

→私が問い合わせる時間を含めると、最低30分はかかります。

 

【無茶ぶりの例②】

取引先との会議にて……

先「じゃあ、今週末の件だけど、そちら準備はどうですか」

上司「聞いてません」

上長「あれ?前やるって言っていたよね?」

上司「言ってません」

先「もう告知出でるよ、引けないよ。」

上司「そんなの僕知りません」「●●さんがやってくれます」

私「……」

先・上長・上司「(私への視線)」

私「はい。」

→その週は当然残業MAXでした。驚く事に、上司は通常通り定時で帰ってました。

 

今思い返すと、ただの時間泥棒ですね。www

 

 

……

 

 

「逃げ道がない」と悟ったのは、私が周囲に助けを求めた時です。

 

私には信頼している先輩がいました。

その人は9年目で、私の母親くらいの年齢で、仕事でも人生でもベテランの方。

その人は、その部署で一番古い社員で、表面下で最も影響力のある方――所謂「お局」――でしたが、本当に良い方だったので、当初私はそのようには思いませんでした。

 

年次が浅くて、まだわからない仕事も多々あった私は、

よく助けて頂いておりました。

 

だから、上司について本当に疲れてしまったとき、

私はいつものごとく、その方に相談しました。

 

しかし、得られた回答は一つ

「波風は立てない方がいい。」

ということだけでした。

 

当時、一度サブロクを超えてしまい、叱責を受け、

以降、ギリギリまで残業しても終わらない仕事は自宅に持ち帰っていた私。

 

あの頃の私には、波風を立てて自分がラクになるか、

努力しつつ我慢するか、その2択しかありませんでした。

 

でも、結局自分が我慢するしか道はありませんでした。

 

なぜか。

 

鬱病上司という爆弾を抱えている限り、下手な刺激はできない。

それで最悪自殺でもされたら最後、名の知れているうちの会社は、

日本中のさらし者。

 

又、私は当時、長くその会社に勤めるつもりでいたので、

周りの評価を気にしていました。

 

 

だから、私は波風は立てられませんでした。

 

(……というか、当時もう既に、上長への相談、先輩社員への相談という形で「波風」は立てていましたし、何よりサブロク超えた時に書いた人事宛の反省文中で、助けを求める内容を書いておりました。

 

なので、それ以上アクションする事に、私は気が引けてしまい、何だったら、自分が努力不足なのではないか、とまで思うようになっておりました。)

 

……

 

こうした経験があり、以降私は、

「私は犬だ」「頑張るしかないんだ」と、自己暗示をかけて、

心身に影響が出るまで仕事をし続けるのでした。